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最近、「平屋が人気」という話を、あちこちで目にするようになりました。
共同通信が、「全国の平屋率2割に、耐震性注目」「新築一戸建て、九州で特に高く」と報じていました(2026年10月11日配信)。熊本地震の記憶が新しい熊本では、特に気になる話題だと思います。
この記事では、こうすれば平屋が正解、と決めつけるものではありません。公表されているデータと、現場で見てきたことをもとに、平屋が求められている背景と、選ぶ前に知っておきたい点を、整理してみます。
間取りの距離や来客の動線は、こちらの記事に寄せています。コンパクトさや予算との折り合いは、別の記事で扱っています。
平屋の間取りで後悔しにくい考え方|検討の初期に見ておきたいこと
コンパクトな平屋という選択肢|暮らしやすさと予算のバランスを考える

新築の木造一戸建てに占める平屋は、全国で約2割に
共同通信の報道によると、リクルートが運営する住宅情報サイト「SUUMO」の調査で、平屋が新築の木造一戸建てに占める割合は、次のように変わりました。
| 年 | 全国平均の平屋率 |
|---|---|
| 2015年 | 8.1% |
| 2025年 | 19.6% |
10年間で、2倍以上になっています。
(出典:共同通信「全国の平屋率2割に、耐震性注目 新築一戸建て、九州で特に高く」2026年10月11日配信。SUUMOの調査にもとづく報道)
熊本は、新築の約4割が平屋です
地域によって、割合は大きく違います。同じ報道では、都道府県別の数字が示されています。
| 地域 | 2015年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 熊本県 | 25.3% | 37.4% |
2025年に平屋率が50%以上になったのは、次の県だと報じられています。
| 県 | 2025年の平屋率 |
|---|---|
| 宮崎県 | 63.4% |
| 鹿児島県 | 59.5% |
| 香川県 | 52.9% |
一方、低いのは大都市圏で、東京都は1.9%、神奈川県は3.9%、大阪府は4.2%だと報じられています。
熊本では、2016年の熊本地震によって、増加の傾向が加速したと報じられています。増加率のトップは石川県で、約8倍(2025年の平屋率は32.0%)でした。2024年の能登半島地震の影響に加えて、雪下ろしのしやすさも評価されている、と報じられています。
共同通信は、7月の熊本地震を受けて、平屋はさらに増える可能性がある、と伝えています。実際の増減は、これから見ていくことになります。
私の担当でも、熊本地震のあと、平屋のご相談は増えている実感があります。若い世代でも、平屋を希望される方は少なくありません。住宅会社の側でも、平屋の提案を前面に出すことが増えているように見えます。
注文住宅を考える人の、約3割が、平屋を希望しています
注文住宅の間取りプランを請求できるサービス「タウンライフ家づくり」を運営する、タウンライフ未来総合研究所が、2026年4月に、問い合わせのデータを分析した結果を公表しています。
- 調査期間:2024年4月1日〜2026年4月15日
- 分析した件数:152,153件
- 希望する階数
| 希望階数 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 二階建て | 93,350件 | 61.4% |
| 平屋 | 47,875件 | 31.5% |
| 三階建て | 10,885件 | 7.2% |
(出典:タウンライフ未来総合研究所調べ「注文住宅の31.5%が『平屋』希望」2026年4月22日。元データは「タウンライフ家づくり」の問い合わせ)
注文住宅を考える方の、およそ3人に1人が、平屋を希望していることになります。
なお、先ほどの「新築の木造一戸建てに占める平屋の割合」(建てられた家の割合)と、この「希望する階数」(問い合わせた方の希望)は、別のデータです。また、このデータは、同サービスに問い合わせをした方の集計で、日本全体を示したものではありません。この記事で紹介するサービスの運営会社が、公表したものでもあります。
希望の多い県
同じ調査では、サンプルが500件以上の県について、平屋の希望率も示されています。宮崎県64.3%、香川県61.6%、長崎県59.2%、鹿児島県56.1%、沖縄県56.0%と、九州の県が上位に並びます。一方、東京都は16.5%、大阪府は17.9%、神奈川県は20.9%でした。
発表元は、土地の価格や敷地の広さの違いが、大都市圏では二階建てを必要とし、地方では平屋を可能にしているのではないか、と解釈しています。発表元の解釈であり、データから直接示されたものではありません。
平屋を希望するのは、どんな人か
同じ調査では、平屋を希望する人の内訳も示されています。
年代(平屋を希望する人のうち)
| 年代 | 割合 |
|---|---|
| 20代 | 15.4% |
| 30代 | 23.9% |
| 40代 | 20.5% |
| 50代 | 23.0% |
| 60代 | 14.2% |
世帯の構成(平屋を希望する人のうち)
| 世帯 | 割合 |
|---|---|
| 子育て世帯 | 43.7% |
| 夫婦のみ | 33.3% |
| 単身 | 11.7% |
| 多人数 | 11.2% |
子育て世帯がいちばん多いものの、夫婦のみと単身を合わせると45.0%になります。平屋は、年配の方だけの選択ではなく、幅広い世代に希望されている、という読み方ができそうです。
なぜ、平屋が求められているのか
発表元は、データから、次のような背景を推察しています。こちらも、データから直接示されたものではありません。
- 子育て後の世代では、コンパクトで、段差がなく、将来の介護の動線にも配慮した家への関心が高いのではないか
- 階段や足場、耐震設計のコストを抑えやすい構造が、予算に制約のある層にとって、現実的な選択肢になっているのではないか
現場で見ている範囲でも、階段を将来の負担に感じる方、ワンフロアで家事をまとめたい方から、平屋の話が出ることがあります。実物の平屋を見て、希望が具体になる方もいらっしゃいます。
耐震性と、避難のしやすさに、注目が集まっています
共同通信の報道では、平屋は、建物の重心が低く、揺れにくく、振動が分散されやすい、と伝えています。また、高齢者や体の不自由な方でも、緊急のときに屋外へ避難しやすいことも、注目される理由に挙げられています。
ただし、建物の地震への強さは、階数だけで決まるものではありません。次のような点で、大きく変わることがあります。
- 耐震等級や、壁の量とバランス
- 基礎の仕様
- 地盤の状態
「平屋だから安心」ではなく、どんな構造で、どんな地盤に建てるのかを、確認してください。地盤の考え方は、こちらの記事でまとめています。
土地の資料が届いたら、間取りの目で見る|契約前に確認したい7つのこと
平屋の、気をつけたい点
人気がある一方で、平屋には、見ておきたい点もあります。
広い土地が必要です
同じ延べ床面積なら、二階建てより、建物の面積(建築面積)が広くなりやすいです。そのため、広い土地が必要になることがあります。土地の広さや、建ぺい率の範囲で、希望の間取りが入るかを、確認してください。

土地の資料を、間取りの目で見るポイントは、こちらの記事でまとめています。
土地の資料が届いたら、間取りの目で見る|契約前に確認したい7つのこと
坪単価は、割高になりやすいと言われます
同じ延べ床面積の二階建てと比べると、基礎と屋根の面積が広くなるため、一般的に、1坪あたりの価格は割高になりやすいです。総額で比べて判断してください。
日当たり、風通し、プライバシーに、工夫が要ります
家の中心が外から離れるので、日当たりや風通しが取りにくくなることがあります。周りから視線が入りやすい場合もあります。コの字型や、中庭のある形にして、プライバシーを守りながら日当たりを取る、という工夫もあります。
旗竿地を、コの字型の平屋で活かした例は、こちらの記事でも扱っています。
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水害のときは、避難のことも考えておきましょう
二階がないので、浸水の想定がある土地では、避難のしかたを事前に考えておく必要があります。ハザードマップで、土地の浸水の想定を確認してください。保険の水災の補償も、あわせて検討したいところです。
平屋のメリットを、生かす工夫
- ワンフロアで、家事と暮らしの動線が短くなりやすい:洗濯、料理、掃除の動きを、ひとつのフロアで完結させやすいです
- 階段がない:私の担当では、将来の暮らしや、介護にも備えやすい、と感じる方は少なくありません
- 屋根が広い:太陽光を載せやすい、と言われることがあります。ただし、向いているかは、屋根の条件と暮らし方で変わります
屋根と太陽光の見方は、こちらの記事にまとめています。
新築に太陽光は必要?|「売って儲ける」より「高い電気を買わない」という考え方
部屋の距離や来客の動線まで含めた平屋の見方は、こちらの記事にまとめています。
平屋の間取りで後悔しにくい考え方|検討の初期に見ておきたいこと
平屋の間取りは、複数のプランを並べて比べましょう
平屋は、同じ広さでも、間取りの工夫で暮らしやすさが大きく変わります。LDKの広さ、部屋の並べ方、中庭の有無、収納の位置、駐車場との関係など、考えることは多いです。
土地と希望の条件を伝えて、複数の会社の平屋のプランを並べてみると、自分たちに合いそうな形が見えてくることがあります。
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提案内容(間取りプラン・資金計画・カタログ)は会社によって異なります。
申込後に、住宅会社から電話やメールで連絡が来ることがあります。
依頼するときは、土地の情報(広さ、方角、前面道路、形)と、希望の間取りを、要望欄に書いておくと伝わりやすいです。
よくあるご質問
平屋は、二階建てより安く建てられますか?
一概には言えません。階段や足場のコストが抑えられる面がある一方で、基礎と屋根の面積が広くなるため、1坪あたりの価格は割高になりやすいです。総額で比べてください。
平屋は、何坪くらいが一般的ですか?
家族の人数や暮らし方で変わります。広さの目安は、複数のプランを並べて確認してください。コンパクトな平屋という見方は、こちらの記事でも扱っています。
コンパクトな平屋という選択肢|暮らしやすさと予算のバランスを考える
平屋は、子育て世帯でも住みやすいですか?
子育て世帯で平屋を希望する方がいちばん多い、という調査があります。家族の気配を感じやすい、という声がある一方で、部屋の配置やプライバシーは、間取りで工夫する必要があります。
熊本で、平屋は増えていますか?
SUUMOの調査では、熊本県の新築の木造一戸建てに占める平屋の割合は、2015年の25.3%から、2025年には37.4%に増えた、と共同通信は報じています。
まとめ
新築の木造一戸建てに占める平屋は、全国で約2割(19.6%)で、10年で2倍以上になった、と共同通信は報じています(SUUMOの調査)。熊本は37.4%で、熊本地震のあと増加が加速した、とも報じています。
注文住宅を考える方の約3割(31.5%)が平屋を希望している、という調査もあります(タウンライフ未来総合研究所)。平屋を希望するのは、子育て世帯だけでなく、夫婦のみや単身の方も少なくありません。
耐震性や避難のしやすさに注目が集まっていますが、建物の強さは、構造と地盤で決まります。広い土地、坪単価、日当たりとプライバシー、水害時の避難など、見ておきたい点もあります。
迷ったら、複数の会社の平屋のプランを並べて、比べてください。
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注意事項
この記事は、公表されている調査や報道と、筆者の経験をまとめたもので、2026年10月時点の内容です。平屋の割合は、共同通信の報道(SUUMOの調査にもとづく)によるものです。希望する階数の調査は、「タウンライフ家づくり」への問い合わせの集計で、日本全体の傾向をそのまま示したものではありません。この調査の発表元は、本記事で紹介するサービスの運営会社です。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。紹介するサービスは無料の資料・プラン請求が中心ですが、登録後に住宅会社から電話やメールで連絡が来ることがあります。電話を控えたいときは、申込フォームの備考欄に連絡方法を書いておくと伝わりやすいです。
例:「日中は電話に出られないことが多いため、ご連絡はメールのみでお願いします。」
例:「検討し始めたばかりでゆっくり考えたいので電話は不要です。気になる場合はこちらから連絡します。」
備考欄の指定で電話が必ず止まるわけではありません。申込はご自身の判断で進めてください。
建築の費用、土地、水害のリスクについては、条件によって大きく異なります。この記事の内容は、一般的な目安です。実際の土地や契約については、不動産会社や住宅会社、設計者にご確認ください。