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新居の収納を考えるとき、「何が、どれだけ入るか」から逆算して、ウォークインクローゼットや、パントリーの広さを決めていくことがあります。
火災保険の「家財」の金額を決める作業も、同じ考え方でできます。家財の保険金額とは、持ち物を買い直すといくらかかるかの合計です。
ところが新築の打ち合わせでは、建物の保険の話が中心になりやすいです。私の担当では、家財は標準プランや「とりあえず500万円」のまま決まることが少なくありません。
家財の金額は、低すぎても高すぎても困ります。この記事では、新居の収納計画とあわせて、家財の保険金額を考えるための目安と、検算の方法を、整理してみます。こうすればこの金額が正解、と決めつけるものではありません。
なお、私は保険の専門家ではありません。個別の契約や請求については、代理店・保険会社にご確認ください。

建物側の補償の見方や、契約前の確認は、こちらの記事でも扱っています。
新築の火災保険、契約前に確認したい5つ|水災・地震・期間・免責の決め方
火災保険の「家財」とは
火災保険は、「建物」と「家財」を別々に契約します。家財とは、建物の中にある持ち物です。
- 含まれるもの:家具、家電、衣類、食器、寝具、趣味用品など、生活に使う持ち物
- 含まれないもの:自動車など。また、建物に固定された設備(造り付けの収納や、ビルトイン設備など)は、建物側の補償になることが多いです。商品で確認してください
建物だけで契約すると、家財の損害は補償されません。火災や水災で、家具や家電が使えなくなっても、買い直しは自己負担になります。
(出典:日本損害保険協会「火災保険」)
保険金額の基本は、「再調達価額」
家財の金額を決めるときの基準は、再調達価額です。
- 再調達価額:損害を受けたものと同等のものを、新たに買い直すために必要な金額
- 時価額:新品の購入額から、年数がたった分の劣化を差し引いた金額
時価で計算すると、古い家電などは、買い直しに必要な額より少ない金額しか出ないことがあります。再調達価額なら、劣化分は差し引かれず、設定した金額を上限に、実際の損害額が補償されます。
古い契約や商品では、時価基準のままの場合があります。契約内容は、いちど確認してください。
もうひとつ大切なのは、保険金額を高く設定しても、支払われるのは実際の損害額が上限だ、ということです。多めに掛けても得にはならず、少なすぎれば、買い直しに足りません。
(出典:日本損害保険協会「火災保険」)
2026年10月の改定では、東京海上日動の案内で家財が下がる例がある
火災保険の保険料は、ここ数年、参考純率の引き上げを受けて改定されています。一方で、東京海上日動の2026年10月始期の案内では、家財の保険料が下がる例があります。他社まで同じではありません。
建物と家財で、改定の向きが同じとは限りません。家財の金額を決めるときも、「全体が上がっているから」とひとくくりにしないでください。実際の金額は、見積もりで確認してください。
目安は、情報源によってかなり違う
家財の金額の目安は、世帯の人数や、家族構成で示されることが多くなっています。ただ、数字は、情報源によって大きく違います。
| 情報源の種類 | 条件 | 目安 |
|---|---|---|
| 保険代理店の解説 | 一人暮らし | 100万〜300万円 |
| 保険代理店の解説 | 夫婦2人 | 300万〜500万円 |
| 保険代理店の解説 | 子どものいる家族 | 500万〜800万円 |
| 損害保険会社の簡易評価の例 | 単身世帯 | 約540万円 |
| 損害保険会社の簡易評価の例 | 世帯主30歳・親子4人 | 900万円 |
| 損害保険会社の簡易評価の例 | 世帯主50歳・親子4人 | 1,760万円 |
簡易評価の数字は、ある保険会社の公開例です。時期や条件で更新されます。
数字に開きが出るのは、前提が違うからです。簡易評価では、世帯主の年齢が上がるほど持ち物が増える前提で計算されています。同じ4人家族でも、30歳と50歳で金額が大きく変わるのは、そのためです。
つまり、目安は出発点にすぎません。ひとつの数字を鵜呑みにせず、自分の持ち物で検算してください。
自分で検算する:部屋ごとに「買い直すといくらか」を数える

私の担当では、持ち物を1つずつ書き出すのは現実的ではないことが多いです。部屋や収納ごとに、金額が大きいものから数えてください。
| 場所 | 数えるもの | 金額が大きくなりやすいもの |
|---|---|---|
| リビング | テレビ、ソファ、ダイニング、照明、カーテン | テレビ、ソファ、ダイニングセット |
| キッチン・パントリー | 冷蔵庫、電子レンジ、食器、調理家電、ストック品 | 冷蔵庫、調理家電 |
| 寝室 | ベッド、マットレス、寝具 | ベッド、マットレス |
| 子供部屋 | 学習机、ベッド、おもちゃ、学用品 | 学習机、ベッド |
| 洗面・脱衣室 | 洗濯機、乾燥機、タオル、日用品 | 洗濯機、乾燥機 |
| クローゼット・ウォークイン | 衣類、バッグ、靴、季節用品 | 家族全員分の衣類 |
| 趣味・その他 | ゴルフ・アウトドア用品、楽器、パソコン、カメラ、自転車 | 趣味用品、パソコン |
数えるのは、いまの持ち物に、新居で買い足す予定のものを加えたものです。私の担当では、新築のタイミングで家具や家電を新調する方は少なくありません。
参考までに、ある損害保険会社の簡易評価では、世帯主30歳・親子4人の900万円の内訳は、次のように示されています。
- 家具:180万円
- 家電:200万円
- 衣類:260万円
- 身の回り品:130万円
- 趣味・娯楽:90万円
- 学用品・玩具:40万円
この公開例では、衣類が意外に大きいです。1着ずつは小さな金額でも、家族全員分を新品で買い直すと、家電や家具を上回ることがあります。収納計画でウォークインクローゼットの広さを考えるときに、「ここに入っているものを買い直すといくらか」と考えてみると、金額のイメージがつかみやすくなります。
干す場所や、収納の考え方は、こちらの記事でも扱っています。
新築でバルコニーを作らない人が3割に|「いる・いらない」より先に決めたい、干す場所の考え方
平屋の間取りで後悔しにくい考え方|検討の初期に見ておきたいこと
高額品は、「明記物件」の確認を
1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、美術品、骨董品などは、「明記物件」として、契約時に申告するのが一般的です。金額の線引きは、会社で変わります。
申告しない場合、補償の上限は小さくなります。ある保険会社では、明記しなくても補償される範囲は、1個または1組あたり30万円、1事故あたり100万円が限度です。条件は会社で違うため、高額な持ち物がある方は確認してください。
地震保険の家財:金額と「全損」の考え方
地震による家財の損害は、火災保険では補償されません。備えるには、地震保険を付けます。
- 保険金額は、火災保険の家財の30〜50%の範囲で決めます
- 家財の上限は1,000万円です
たとえば、火災保険の家財が500万円なら、地震保険は、150万〜250万円の範囲になります。
(出典:財務省「地震保険制度の概要」)
地震保険は、家財全体の時価に対する損害の割合で、支払われる金額が決まります。
| 損害の区分 | 家財全体の時価に対する損害額 | 支払われる割合 |
|---|---|---|
| 全損 | 80%以上 | 100% |
| 大半損 | 60%以上80%未満 | 60% |
| 小半損 | 30%以上60%未満 | 30% |
| 一部損 | 10%以上30%未満 | 5% |
家具が何点か壊れた程度では、全体の損害割合は小さくなりやすいです。私は、地震保険の家財部分は買い直しの全額ではなく、生活を立て直す最初の資金として見ています。
見直しのタイミング
家財の金額は、一度決めたら終わりではありません。次のタイミングで見直してください。
- 子どもが生まれたとき、成長して持ち物が増えたとき
- 大型の家具や家電、高額な趣味用品を買ったとき
- 引っ越しやリフォームをしたとき
- 保険の更新時(2022年10月1日以降始期は、1契約の最長は5年)
(出典:損保ジャパン「火災保険は最長何年まで加入できますか?」)
更新の案内が届いたら、そのまま継続するのではなく、持ち物の変化を思い出してください。
新築で家財の金額を決める、3つのステップ
- 保険会社の簡易評価で、目安を出す(世帯人数と世帯主の年齢を入力する形式が、一般的です)
- 部屋ごとの表で、自分の持ち物を検算する。目安と大きくずれたら、その理由を考える
- 高額品の明記物件と、地震保険の家財を付けるかどうかを決める
家財の保険金額は、収納計画と同じで、「何を持って暮らすか」から始めます。
建物の見積もりとあわせて、家財の条件もそろえて複数社で比べてください。
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提案内容と保険料は、保険会社と契約条件で変わります。
申込後に、保険会社や代理店から、電話やメールで連絡が来ることがあります。
よくあるご質問
家財の保険は、付けなくてもいいですか?
任意です。建物だけの契約もできます。付けない場合、買い直しは自己負担になります。貯蓄で買い直せる範囲かどうかが、判断の材料になります。
保険金額は、高めにしておけば安心ですか?
支払われるのは、実際の損害額が上限です。高く設定しても受け取れる金額は増えず、保険料だけが上がります。
家具や家電が増えたら、金額は変えられますか?
変更できます。契約している保険会社や代理店に連絡して、保険金額を見直してください。
まとめ
家財の保険金額は、持ち物を買い直す費用の合計です。目安は情報源で開きがあります。部屋ごとに検算し、高額品と地震保険の家財も見てください。
迷ったときは、建物と家財の条件をそろえて複数社の見積もりを比べてください。
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注意事項
この記事は、一般的な情報と、筆者の経験をまとめたもので、2026年10月時点の内容です。家財の評価、補償内容、保険料は、保険会社と商品、契約の条件で変わります。簡易評価の数字は、公開時点の一例です。個別の契約や請求については、ご契約の保険会社・代理店にご確認ください。
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この記事は、特定の保険商品の推奨や勧誘ではありません。加入の際は、各社の重要事項説明書と約款を、ご確認ください。